#Fender 副社長 Max Gutnik氏が環境問題からスワンプアッシュ材の供給不足＞今後アッシュボディ大幅縮小を伝えたことがリーク

2020年5月6日 156gta

Fenderが多くのアッシュボディギターの生産を停止するという衝撃のニュースが流れて来ました。

Guitar.comによれば、FenderUSAの副社長であるMax Gutnik氏が米国のディーラに送ったメールがリークしたということです。

Fender is phasing out the use of ash wood in its guitar production, according to an email that the company sent dealers yesterday.
Via : Guitar.com – FENDER IS PHASING OUT MOST OF ITS ASH GUITARS

スワンプアッシュボディ廃止の決定に至る2つの要因

有害昆虫の繁殖
- エメラルドアッシュボーラー（アオナガタマムシ）の繁殖によって過去20年で北米のアッシュが大幅に減少した。
- アッシュボーラーの耐性がある木を栽培する取り組みが行われているが、ギター材として使用出来るまで成長するのに40年〜50年の期間が必要である。
ミシシッピのデルタ川洪水発生の増加
- アッシュ材の殆どはこの地域から得ているが、市場からアッシュ材はほぼ消滅した。
- 昨年、記録的な洪水が発生したことで、成長したアッシュのほとんどは水の中に消えてしまった。

スワンプアッシュボディが廃止される機種

これらの要因によって、3月27日にディーラに対し、アメリカン・プロストラトキャスター、テレキャスター、ジャズマスター、及び、ジャズベースの出荷を停止した。

また既に数年前からアッシュ材については安定した、かつ、予測可能な供給は困難になっていたが、更にそれが決定的になった。
よってFenderの持続的かrつ高品質な製品を維持する為に、レギュラーモデルの大部分でスワンプアッシュボディを廃止することを決定した。

今後スワンプアッシュボディはどうなるのか

同社は将来 “exciting tonewoods” モデルや “historical woods”モデルの導入をほのめかしたことから、完全にアッシュボディを廃止するわけでは無い。

今後供給可能なアッシュ材は、歴史的を継承するビンテージモデルでは限定的ではあるが引き続き生産されることになるだろう。

Fenderは今年、The Bloadcaster 1950 や、限定モデルであるRaw Ash American Performer Stratocaster及びTelecasterを発売している。

次の記事では、米国Fenderの開発最高責任者へのスワンプアッシュ問題に対するインタビュー記事もアップしました。→こちら

やはり在庫も少なくなっているようです

有害昆虫の繁殖も洪水発生の増加も元を辿れば地球環境の悪化が要因と思われますので、ギターにもその影響が現れているということですね。

このような供給減少に加えて、トーンウッドとしてのスワンプアッシュ材は個体差が大きく、更に、その大きく美しい木目が特徴ですので、より良い鳴り、美しい木地や木目を求めて選定される傾向が高いことから、より格差も生まれて来るかと思います。

今後、Fenderに限らずスワンプアッシュボディのギターがレアになり価格も上昇することが予測されます。
特にTelecasterのアイコンとなっているバタースコッチやブロンド等のアッシュのテクスチャを活かしたモデルを検討されていた方は、それらが市場から消える前、あるいは高騰化する前にゲットされる方が良いかもしれません。

確かにサウンドハウスさんではAmerican Professional シリーズのTelecasterやストラトキャスターの一部が在庫限りとなっていました。

サウンドハウス：Fender American Professional Telecaster Maple Natural