#音のこだわりを全て 【ソニーフラッグシップモデル ブロガー限定先行体験会】レポートその6:NW-WM1シリーズ開発秘話 筐体の拘り
【ソニーフラッグシップモデル ブロガー限定先行体験会】に参加させて頂きNW-WM1シリーズ開発秘話は前回の内部基板のお話に続いて、NW-WM1の最も特徴的なその外観、いやその素材についてお話を聞かせて頂きました。
筐体素材選びの拘り
ZX1が終わり、ZX2に行く時にデザイナーから楽器は真鍮で作られていることからキャビを同じ真鍮で作れば音がよくなるかもという指摘があった。
しかし実際に真鍮で作った結果、実際に低音はすごく出たが、高域がまったく伸び無かった。
やはり抵抗値が関係するのでは無いかということが解り始めた。
そしてZX2では中に銅板を入れることでで抵抗値を下げ、抵抗値と比重のバランスを取った。
ZX2がおわった時次はアルミの純度を上げる試みを行う為にアルミキャビを8個作り、1個1個聴き比べた。
アルミの種類も世の中にはいろいろあり、一般的に手に入るものから、特注でその時だけブロックで切り出してもらったもの等いろいろ集めて試作を進めて行った。
その過程でやはり純度を挙げて行くと音がよくなることが判った。
次に表面に銅メッキや金メッキ等を施してみた。
アルミから銅に更なる素材への拘り
これで音が良くなったが、更に抵抗値が少ないものは何か?ということを探した。
銅の抵抗値が100とするとZX2で使用したアルミ単体は55%、純度が高いものでも61%程度である。
しかし銅では102%というものがある。
まずは銅でどこまで限界なのか?攻めてみたら変わるのだろうか?ということで実際に作ってみることにした。
しかし純度の高い銅だとサビて10円玉のような匂いがする、また触ると手に銅の匂いが付いてしまう。
せっかくなので匂ってみて下さい(笑)
また、基板のグランドも錆びるとだめ。よってこれは無いということで、非磁性体メッキを施してみたりした。
試作メーカーに断られる
銅の素材はけっこう大変で、試作メーカーからはこんなものを作ってどうするんだと一通り断られ、結局2〜3ヶ月かかった。
試作を受け入れてくれたメーカは量産を得意とするメーカーで最初は絶対量産出来ないからと釘を刺された。
最後に金メッキを行なった。
接触抵抗が一番低い元素が金で、結果音が一番良かった。
NW-WM1Zは銅と金メッキで製品化を進める
大変だったが、このセット(銅筐体+金メッキ)で出したいと思い、更に試作することにした。
今回の試作は量産メーカーに依頼したが、通常量産メーカーは試作を受けてくれない。
量産しないのであれば試作するという約束で3つだけ作ってもらった。
上層部からはZX2で「おまえらいい加減にしろ、どんどん大きくして音が良くなるのはあたりまえだろ、そろそろ小さくしろと」言われていた。
しかし次のセットがWM1だったので、上層部と直接交渉したらだめだろうと考えていた。
よって実際に金のZX2を持って行き聞かせたら「これすげーなー」ということになり、更にもっと偉い人に会うから貸せを言われ持って行かれ、それっきり帰ってこない(笑)
おそらく気に入ってもらって使って頂いている筈。。。。
NW-WM1A 筐体の拘り
こちらが1Aの方で使っているアルミ押出材。
もともと500g位の素材を、これを製品素材重量として267gまで削って行く。
これは展示をしているがエッジ等があり実際に触ってみて頂けるのはここだけ。
黒いアルマイト加工によって、画面のグラスと黒のコントラストがデザインのポイントとなるので注目して欲しい。
ボタンの素材もまた異なるので見て欲しい。
NW-WM1Z 筐体の拘り
1Zの方の銅の母材から削り出している。
こちらは約1.8kgとけっこう重い。なかなか片手で持てないくらい。
金メッキ処理後の筐体
金メッキは製品写真ではピカピカの印象だったかもしれないが、実際は鈍い輝きになっている。
それが素材の本当の色であり、デザインの為の色ではない。
通常の金メッキは下地にニッケルメッキをするおとでキラキラ感が出されている。
しかしニッケルメッキは磁性体であり音への影響が非常に大きいのでやっていない。
ただ金メッキのはメッキの中でも弱いので、実製品では更に上に塗装をしている。
デザイナーには最初金色で拒否されれかと思ったが以外と大丈夫だった。
音が目に見えていることで納得してもらえたと思う。
NW-WM1シリーズの筐体への拘りは最初持った瞬間から解りましたが、更にその開発秘話を聞くと想像を超える労力があったのが解りました。
特にNW-WM1Zは高価な部類のプレイヤーだと思いますが、このお話を聞いた後ではむしろ安いのではと思ったのは私だけでしょうか?
次の記事では、更なる拘りも、、、、