5気筒ピストンロータリーエンジン?“Duke”が凄い!
ニュージーランドのオークランドにあるDuke Engines Limited 社が開発したエンジン“Duke”は、5つのシリンダーとピストンが円筒状に垂直に配置されている画期的なレイアウト。
これがどういう仕組みで動作するのでしょうか?公式動画で説明されています。
ピストンとシリンダーが同時に回転します。
一方、シリンダーヘッドは回転せず、3本のスパークプラグと吸排気ポートが空けられています。
1つのピストンを見ると、4ストロークエンジンのように2回の往復工程で1回の燃焼します。
対して、シリンダーが1回転する間、ピストンは6回ストロークし、3回燃焼工程を実行します。
結果5気筒なので、シリンダーが1回転する間、15回燃焼されている計算になります。
構造的には2ストロークエンジンと同様に可動バルブは無く、シリンダーヘッドはかなりシンプルです。
4ストロークと2ストロークエンジンの特徴と、ロータリーエンジンのような動きを兼ね備えた画期的なエンジンですね。
このエンジンは、5気筒で6気筒エンジンと同様、あるいはそれ以上の回転バランスを誇るということで、その低振動さを示したのがこちらの動画。
エンジンの上に置いたコインは倒れることなくエンジンが始動します。
この画期的な構造から、通常のシリンダーレイアウトのエンジンより小型・軽量
そして超低振動という特徴があります。
また、着火から燃焼までシリンダーヘッドが移動しているので、着火直前はヘッドが比較的低音なのでノッキングが起き難く、同時にデトネーションも起き難い構造のようで、圧縮比は1:14で動作するようです。
更に凄いのが、この構造から、通常のクランクとなる部分を可動させることで、簡単に可変圧縮比を実現できる構造なんだそうです。
可変圧縮比を実現することで、出力と燃費の向上は勿論、様々な燃料に対応できるようになるそうです。
正に発明と言って良いすばらしいエンジンのようですが、このエンジンが搭載される自動車はこの世に現れるのでしょうか?
ネックは、ダウンサイジングが進められているエンジン業界で5気筒という構造がちょっと大掛かり過ぎる(勿論同じ排気量では小型)ということでしょうか?
また、回転マスが大きいので、レスポンスは悪いかもしれません。
ということでDukeエンジンのサイトでは、比較的一定回転での連続運転を行う、船舶用、飛行機用、発電機用として向いているようですね。
円形のレイアウトも、これらの機器にはベストマッチと思われます。