ヤマト発動機のレースボート船体制作工場を見学しました!高精度加工と職人技!
群馬県にある株式会社ヤマト発動機という会社に招待していただき、レースボートの製造工場を見学させていただきました!
このヤマト発動機様は、日本全国のボートレース場24箇所と、ボートレーサーを育成する学校に年間1600台のレーシングボートを、1社で供給している会社なんだそうです。
また、その他ボートレース場の施設の施工や、このような水上のF1パワーボートなども手掛けられているという、知る人ぞ知る会社なんだそうです。
事前に会社紹介のビデオを見せていただきましたが、何とこのパワーボートには、回転数に応じた可変ポート、そして可変長の排気チャンバーが装備されていました。
バイクの2ストロークエンジンにはヤマハのYPVSのような可変排気ポートが装備されていましたが、可変チャンバーなんて見たことありません。
ということで、冒頭から衝撃のヤマト発動機様ですが、早速レーシングボートの工場見学をさせていただくことになりました。
◆船体工場の見学だ!
ここは船体に使われる木材の貯蔵庫。
木材はスプルース材や、これってアコースティックギターにも使われる木材ですよねーw、なんとここでギターつながり!w
購入した木材はここでしばらく寝かせ乾燥させることで、歪などを取った上でボートを制作する材料となります。
ちなみに、ボートレースで使われる、ボートは木材で制作されます。
全てのボートは激しい戦いの結果1年でその役割を終えて廃棄されるそうなんですが、木材であることがその理由。
例えば、市販のボートのようにグラスファイバーで制作するとそうカンタンには廃棄出来ないですし、実はグラスファイバーは制作した後に歪みが生じるそうで、ミリ単位の精度が要求されるレーシングボートには適さない材料なんだそうです。
ここが船体工場の入口。
まだ板のままですね。
板は合板として加工されます。外側に強度が高い木材、内側に軽量で衝撃を吸収する木材という、いわゆる複合素材、ハイブリッド素材ですw
どんなに素材が進化しても、まだまだ木材に勝てない領域もあるんですね。
レーシングボートはこんな構造しています。
やっぱりアコースティックギターそっくり!w
合板は、使われる箇所に応じて異なる木材がアレンジされます。
合板にする理由はもう一つ。
このように自由で複雑な形状にも比較的カンタンに加工し、しかも高い強度の部品として制作するとが出来ます。
合板から更にこのような複雑な部品として加工されます。
様々な部品が制作され、分類され、管理され、ストックされます。
色分けされ整頓
ヤマト発動機では船体はほぼ手作業で制作されていますが、それは職人の技が一部の例外がこちら。
複雑な曲面を高精度が要求部品はこのようなNCルーターで製造されます。
このNCルーターは凄く高価な工作機械ですが、本来は様々な形状の部品を24時間稼働で大量生産も出来る性能を持っているようですが、ヤマト製作所ではこの機械でしか作れない部品の為に投資しているんだそうです。
そのご自慢の加工機械で制作された部品がこちら。
確かに、これを手作業で、高精度で制作しようとすると大変ですね。
だんだんパーツが出来上げってきました。
このように整頓。
これは芦屋ボートレース場の船のパーツなんでしょうね。
レーシングボートのカタチに組み立てられて来ました。
部品毎に重量が記録されています。
レースボートは完成した時200g以内という誤差しか許されていません。
接着剤の重量の調整、そして、部品の重さをアレンジしてくみ上げることで、重量を均一にするようにします。
正に職人の経験と知識によって製品化されるんですね。
船体に組み上げられた後もここからこんな大きな加工機械に入れて
船底の表面を加工します。
レーザー測定器を用いた超精密加工。
今度は船上部分を加工しているのでしょうか?また手作業の行程に
ボートレーサーの乗るコクピットの廻りの構造を制作しているのかな。
やはり細かい作業は、手作業になります。
さきほどくみ上げられていたパーツ。塗装されていますね。
塗装行程の動画
素晴らしい手さばき、かっこいいよ、塗装工場のお兄さん!
ここでロボット登場、ベテラン塗装工のやり方がそのままティーチングされているそうです。
ホワイトを一気に塗装
塗装行程は、乾燥を経て下塗り、中塗り、上塗りと数回繰り返されます。全て終わるのに10日間も掛かるそうです。
こちらはボート上面の塗装でデザイン通りマスキングする作業。
塗装も進み、だんだん出来てきました!
裏面はイエローに塗装されています。
製造最終段階になった船体を並べられている姿は壮観!
船体も出来上がり、更に、ボートとして必要な細かいパーツを取り付けて行きます。
職人さんの手作業でパーツが組み上げられています。
手際良い!
船体が完成!
そして、出荷待ちの倉庫に納められます。
奥にはこれも製造したばかりの警備艇も見えます。
これもボートレース場に納められる船なんですよね。
ということで、ヤマト発動機の船体工場の見学が終わりましした。
レースボートはこのように木材を超精密に加工し、美しい塗装が施され、職人の手でくみ上げられる製品です。
まるでアコースティックギターを制作しているようにも見えました。
そしてヤマト発動機はその会社名の通り、レースボート用のエンジンも自社生産している会社なんです。
続いて、エンジン工場に移動して見学させていただきます!