246Gallery

炎上中の Gibson Firebird Xのスペックを確認してみた

昨日、Gibson Firebird X の破壊動画がアップされ炎上という記事をアップしましたが、その続編です。Gibson Firebird Xとはいったいどういうギターなのかをおさらいしてみようかと思います。

 

Firebird Xのデビュー

https://youtu.be/rhyWlF6tWig

2010年10月28日 ニューヨークのハードロックカフェ。
当時のCEOヘンリー・ジャスキヴィッツ氏が登壇し、Gibson社員であるFrank Johns氏の演奏でお披露目されたということです。

REVOLUTION X というキャッチフレーズですが、2001年のOSXの登場で”X”が革命的を表すアルファベットとなった流れでしょうか。

私も2011年1月にラスベガスで開催された、家電見本市のCES2011でGibson Frebird Xを目撃していました。
世界最大の家電ショーにまで出品していたのですから当時は相当期待していた製品だったと思います。

ところが今回の動画で壊されていたのでは2009年から製造された分、つまり販売開始前から売れ行きを見越して製造されていた分まで余っていた、ということ、つまりその後殆ど売れていなかった、、、ということなのでは無いでしょうか?

Fire Bird Xデモ動画

レビューサイトやユーチューバーの方が発売された直後にFirebird XのレビューをYouTubeにアップされています。

うーん、これらのデモ見て買いたくなる人いるのでしょうかね。。。

 

 

Firebird Xのスペック

まずはFirebird Xを知る為にももう一度スペックをおさらいしておきます。

 

 

Gibson Firebird X
Gibson Firebird X
Gibson Firebird X

Firebird本体スペック

てんこ盛り感が凄いですね。。。

チャンバーボディー構造はにこれらの仕掛けを入れ込む為なんでしょうね。

Gibsonがあまり使わないアッシュにしたのはチャンバーボディの強度の為でしょうか?実際重機に踏み潰されながらも多くのFirebird Xはその形状保っていますし、、、、
メイプルネックというのも頑丈ということですね。Gibsonが得意なマホガニーネックだともっとヘッドが折れていたでしょう、、、

細かいスペック的には23フレットというのが面白いですね。また、弦が009-052というのは誤植なのでしょうかw

で3つのピックアップのマグネットが全部別モノ(アルニコV、セラミック、アルニコII)だというのも面白い。

マグネットによってわずかなニュアンスの違いが出ると思いますが、後述の凄いイコライザーシステムがとエフェクターが搭載されていますので、個人的にはイーブンでフラットなピックアップ構成の方が向いていると思うのですが、、、

 

G-Node interface™スペック

Firebird Xは付属のアクセサリG-Nodeに接続することで能力が100%発揮出来るようです。

Gibson G-Node interface™

G-NodeはFirebird XとBluetooth接続して、コントロールするインターフェースのようです。
また、オーディオインターフェースとしての役割もあるようです。

一方でXLRジャックを持っているのに、ギター側に電源供給出来ないのは残念です。
ギター側は交換式のリチュウムイオンバッテリーで動いているということですね。

またFirebird Xは通常ジャックのステレオ出力というこちらも中途半端です。
せっかくならXLRでステレオ出力して、ギターに電源供給すれば良いのにと思ってしまいました。

 

ソフトウェア

当時のGibsonはソフトウエアにも相当力を入れていたようです。
これまでのギターではなく、iPhoneのような新しいギターインフラを構築しようとしていたのです。

 

FBXソフトによる設定

GibsonはFirebird Xの為にFBXというソフトウェアで膨大なプリセットが可能です。

Gibson FBX Software

UIが雑然としていてちょっとやっつけ感がありますし、FBXのマニュアルは62ページで、読破するのが大変です、、、

凄いと思ったのがまずはデジタルバリトーン

Gibson FBX Digital Varitone

これって、9エリアの入力信号-出力信号のエリアでそれぞれパラメトリックイコライジングすることが可能になるようです。
要はボリュームポジションによってトーンキャラクターを変えられるようで、誰がコレを使いこなせるのか?かなりギモンですね、、、

そして、バーチャルピックアップワイヤリング

Gibson FBX – Virtual Pickup Wireing

バーチャルワイヤリングによって、3つのピックアップはミニハムバッカーなのですが、その2つのコイルの接続をプリセット出来るのです。
通常のハムバッカーのシリーズ接続、パラレル接続、また各コイルシングルが可能です、更にコイルをフェイズアウトするかも設定できます。
さらに出力時の位相も設定出来ますので、合計12種類のプリセットが可能ということです。

説明によればこの設定によって、ピックアップはアナログで接続されるということは、おそらく、ギター内にアナログリレーが3(pu)x2(Coil)x2(+/-)=12個入っていることになりますね。すげー!

そして3つのピックアップは出力レベルを設定したあと、5-wayスイッチに接続されていますので、ピックアップの組み合わせは2000種類以上ということになるということです。

誰がコレ使いこなせるのでしょうか?w
というか、小さなエリアで弦振動をキャプチャするミニハムバッカーでのシリーズのフェイズアウトなんて、弦信号をキャンセルしてノイズを増幅するだけの最悪接続だと思います、、、

そしてここまでやって、結局アナログ5wayスイッチなので、フロントPU+リアPUの王道接続が出来ないわけです、、、

せっかくなら、ピックアップも3つくらいのプリセットが選択出来るようににした方がよかったと思いますが、おそらくアナログリレーで切り替える時に壮大なノイズが発生するものと思われますのでダメだったのでしょうね。

 

 

ということでこれらのスペックを見て感じたのは、GibsonはFirebird Xに気合を入れすぎ、、、たことがわかります。

バーチャルピックアップワイヤリングや、内臓エフェクタ、バッテリーシステム、更にG-Nodeという専用ペダルなどこのギター専用のHWの開発。

Bluetoothなどその頃のギターではあまり採用されていないテクノロジーの搭載。

専用ソフトウェアの開発とクラウド環境の構築など、いったいFirebird Xにどれだけ投資をしたのでしょうか?

おそらくGibsonはこのプラットフォームを用いてギターをiPhoneのようなHWとSWと通信が融合したシステムとして、アプリやサービスなどでも収益を上げようとしていたのではと思います。

その後2013年にレスポールにまったく同じシステムを搭載したGibson LPXを発表しました。

Gibson LPX

Firebird Xと違うのは、デザイン的にレガシーなレスポールをほぼ踏襲しているということですね。

ただ、LesPaul の名前を冠しなかったのは、2009年に永眠されたLes Paul氏へ経緯を払ってということになるのでしょうか、、、、

次の記事では、何故Firebird Xの炎上動画がアップされることになったのかを考えてみたいと思います、、、

続きの記事はこちら

Gibson Firebird X は何故重機踏み潰されたのか?考えてみた

 

 

モバイルバージョンを終了