YSP川崎中央様でYAMAHA TRICITY 155を試乗して来ました。
YAMAHAが言うLMW(Leaning Multi Wheel)バイク、TRICITYの試乗は初めてなので、かなり期待が高まります。
まずは外観チェック
ヘッドライトの造形立派ですねー
かと言って、ファットではなく、隙が無いシャープな感じはさすがYAMAHAデザインですね!!
シールドは広く、もう大型ツアラーバイク並のプロテクション性能を感じさせてくれます。
リアライトはMTシリーズを感じさせる細かい造形美がその中に潜まれていますね。
リアのサイドカウル部にTRICITYは立派な立体ロゴパーツがつけられているのですが、155はシールなんですね(^^;
せっかくの緻密なデザインのバイクなので、このあたりは手抜き無しで立体ロゴにして欲しいですし。
無理して排気量付けなくても良い感じもします。
リアサスのパーツは車格に対してちょっとプアかなぁという感じです。
ただここ最近のスクーターはどうやらリアサスをコストダウンさせる傾向が強いようで、TRICITYもそのあたりの事情があるのかと思います。
ハンドル部はカバーがされていますが、個人的にはMAJESTY Sのようなハンドルバーが外に出ている造形の方が好きです。
メーターは広く見やすいですね。この大型メーターのおかげで大型バイク並のゴージャスな雰囲気見えますね。
ミラーは、ちょっと自動車っぽいデザイン。
これもフロント周りを立派に見せる為の造形でしょうか。
サイドカウル右側のカバーは閉会式になっており、その中に12Vのソケットが備わっています。
このソケットは防水の為なんでしょうが走行中にスマホを充電するにはここから充電ケーブルを引っ張ると蓋が閉まらなくなっています。
スマホナビ用のUSB 5Vアウトはこのクラスのバイクにもそろそろ標準装備して欲しいところです。
センターにコンビニフックが備わっているのは良いですね。
最近センタートンネルが存在するスクーターが増えていますが、TRICITYはフラットな足乗せになっているので荷物を載せるにも便利そうです。
シートは幅広く前後にも余裕があり、このクラスのスクーターとしては乗り心地抜群です。(実際長距離を走ってみないと本当にそうなのかは判ら無いと思いますが)
シート下のスペース。
横幅は広いですが、縦方向はそれほどでも無い感じ。
ガソリンキャップはシート下にあるんですね。
給油はちょっと面倒くさそうです。
給油中にキャップが余裕で置けるのは良いとは思いますが。
タンク容量は7.2Lということで、PCXの8Lには及ばないまでも長距離走れそうです。
Y’sギア謹製(^^; ZENITH ジェットヘルメットを入れて見ました。
当然余裕で入りますが、深さはもうちょっと欲しい感じですね。
ジェットヘルメットだと周りに余裕があるので、夏用のジャケットは余裕で入りそうです。
試乗した感想
まずは何といってもそのハンドリング
多くの方がレポートされているように、3輪を意識することなく通常のようにバンクさせながらひらひらと方向を変えられ、かつ絶対的なフロントの安心感は異次元感覚です。
あまりにもバンクさせるのが安心なので、交差点も調子に乗っているとすぐにセンサースタントが接地してしまいます。
また、通常のバイクよりコーナリング中に積極的に舵を入れてフロントに負担をかけても(当然ですが)スリップダウンする感覚が出無く曲がって行くのが逆に怖いです(^^;
一方で、あまりにもフロントが安心なのでブレーキを強く残してコーナーに入ると(これも当然)ですがまるで車のようなアンダーステアが出て曲がれ無くびっくりしました(^^;
直進安定性がすごい
ツアラーバイクのような矢のように走る的な直進安定性というより、路面のアンジュレーションのいなし感というか、外乱に影響されず走る感覚も面白いです。
路肩部分のうねりとか、ちょっと段差がある水路部分や、導入部分の段差を横切ったり、片足を入れてもそのまままっすぐに安定して走るのはびっくりしました。
もしかした市街地でのすり抜けには最強バイクかもしれません、、、、
(が、すり抜けは道路交通法的にNGな解釈が多いようでご注意ください;;^^))
ブレーキ性能がすごい
ダブルタイヤにダブルディスクですから、制動力と制動時の安定感は抜群です。
またブレーキ時のフロントサスはそほどストロークしない状態でもショックを確実吸収し、かつ余裕があるようで安心して制動を楽しむことができます。
鼓動を感じるエンジン
YAMAHA のブルーコア155ccエンジンは低速トルクもあり、TRICITY組み合わせるには最高のエンジンですね。
125ccは試乗していないのですが、特にTRICITYの場合155ccの方が余裕の走りを手に入れることが出来るのは間違い無いと思います。
先日、HONDA PCX150を試乗したのですがYAMAHAとエンジンに関する考え方がまったく違うのにも驚きました。
HONDAのeSPエンジンは、フラットトルクで各振動モードがバランス良く抑えられていることで、運転しやすく楽に扱えるエンジン。対するYAMAHAのブルーコアエンジンは、振動は抑えられておらず、中間域に気持ち良さよりも低速のダッシュ感や高速の伸び感を味あわせてくれる、スポーツバイク的なエンジンでした。
ライディングポジション
スクーターとしては最良のポジションなのでは無いでしょうか?
足先が窮屈ではなく、ハンドルも遠くなく切っても狭苦しくなく、シートの着座 位置も一発で決まる感じ。乗降もしやすいです。
気になった点
やはりどうしても重い感じがします。
バイクを降りた時の取り回しの時は125ccスクーターのようにひらひらと扱うのは不可能です(^^;が、3輪の為倒れてしまう感覚は無く全然余裕な感じではありますが。。。
それと前輪周辺の絶対的な安心感、またリア部の自由な感覚の組み合わせはとても良いのですが、それがステアリングヘッドの近くで〝連結〟されている感じにちょっと違和感があります。
またメカ部が複雑なのでそれらのクリアランスもどうしても感じますし、フロントとリアの中間部の剛性も厳しいのでしょうね。もしかしたらリアサスがちょっとプアなのかもしれません。
結果、通常のバイクのようにフロントタイヤとリアタイヤが一緒に仕事しているのでは無く、前半部分がやっていることに後半部分が追従している感じです。
リアサスにもう少しストロークがあり、余裕があるダンピング特性であれば、リア部にもしっとり感と安定感が出て来てより高級感も出て来るのかもしれません。
まとめ
フロント2輪バイクを、しかも125ccクラスとしてコストの制限がある中でここまで素晴らしい完成度の製品にしたYAMAHA様には、とにかく脱帽です(^^;
もし、同じコストで同じ重量に仕上げられるのであれば、リアサスのグレードを上げ、もう少しフレームの剛性を上げられるのであれば最強の乗り物になると思いますが、これは勝手な要望というものですねすいません。m(_._)m
ヤマハ トリシティ125 PERFECT GUIDE (Motor Magazine Mook)