ブリヂストンタイヤのF1撤退に対してFIAは残留に向けて説得しているようですが、会社の方針として既に決定事項ということです。
であるなら、一番期待されているタイヤメーカーは勿論ミシュランなわけで、やはりFIAと交渉を開始したようです。
Michelin is closing in on a deal to return to Formula 1 next year, AUTOSPORT has learned, but it may not be as a standard tyre supplier.
そして、FIAは再びF1タイヤを独占供給とはせず、複数メーカーの競争状態に持ち込む案も考えているようです。
『Autosport(オートスポーツ)』の報道によると、ミシュランが復帰した場合でも、統括団体FIA(国際自動車連盟)はミシュランを単独サプライヤーにはせず、F1でのタイヤ戦争を再開させる可能性もあるようだ。
かつて、繰り広げられた、ブリヂストンとミシュランの間の果てしないタイヤ戦争がもたらしたのは、極端に限界領域で設計されたタイヤ、アメリカGPで、走行が出来ないくらい危機的な状態にまで発展しました。
そしてFIAは1社単独供給を決定、競争こそが発展に繋がるを考えていたミシュランは撤退することになったのです。
そして、景気やエコなど、タイヤサプライヤーを取り巻く状況も大幅に変わり、ブリヂストンは撤退を決意したワケですが、流石に全チームにタイヤを供給するという負担はかなりのものだったと思います。
しかも、現在のレギュレーションでは、ドライだけでも4種類くらいのコンパウンドを準備し、その中から2つと、レインとインターミディエイトの4種類を毎戦準備します。
そして今年からチーム数も増加し、グランプリ開催数も増え、しかも開催する地域もワールドワイドに展開する傾向にあります。
ブリヂストンが撤退したくなる状況もかなり理解できますね。
そして、ここまでブリヂストンが大変な仕事をやっているのに、その撤退後を一気に同様のクオリティで引き受けるというのもかなりリスクが高いと思います。
参入を希望しているのは韓国のタイヤメーカーだそうですが、このようにF1にまったく経験が無いメーカーに、最重要パーツであるタイヤの供給を任せることもFIAにとって大きなリスクであると考えられます。
経験と実績抜群のミシュランが限られたチームに供給し、残りを、複数の新規参入チームがサポートするというのが現実的かもしれませね。
こうなると、単純にタイヤ戦争、というより、タイヤ争奪戦争、つまり、ミシュラン争奪戦争となることで、あるいみオークション状態、ミシュランにとってもビジネスとして成り立つというシナリオが成り立つかもしれませんね。