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SONY初のフルサイズCMOSイメージセンサーの開発秘話と今後

コンパクトデジタルカメラから APSデジタル一眼レフカメラまで、ソニーのイメージセンサーは既に多くの(他社製も)カメラで採用されていますが、今回α900の為に開発したフルサイズCMOSイメージセンサについて、開発者の方がインタビューに答えられています。

ソニー製CMOSセンサーについて、半導体事業本部イメージセンサ事業部第1設計部CIS設計2課の宇井博貴統括課長と、半導体事業本部セミコンダクタテクノロジー開発部門イメージャプロセス2部開発1課の蛯子芳樹氏に、開発のポイントなどをうかがった。

■フルサイズセンサの設計と製造上の難しさについて
・ フルサイズセンサーは製造上のバラつきを押さえるのに苦労する
・周辺画質の確保はものすごく大変だった。
・斜めから入ってきた光を集光するのは難しい。オンチップレンズの形状、ずらしなど工夫している。
・過去のαレンズ群すべて問題なし、という確認を取っている
・35mmフルサイズは通常の半導体ではあり得ないサイズ
・製造ラインを立ち上げながら、製造技術の完成度を高めていった
・CMOS開発とカメラのセット開発が一緒にるのはお互いメリットがある
・センサ開発と画像処理はお互いフィードバックしながら開発出来た
・歩留まりを良くするには製造時のゴミへの耐性が強い回路設計が必要だった

■ノイズ対策も万全
・画素から信号が出た直後でノイズリダクションするカラムA/Dコンバーターを採用
・”Exmor”はアナログで消しきれなかった残存ノイズやA/D本体のノイズを再度除去する
・カラムA/D変換方式はソニーのオリジナル
・将来的にはS/Nをもっと高めたいと思う

■フルサイズと画素数について
・商品企画が主導で2400万画素を決定した
・画素数を決めるのは市場である。画素数が少ない方が良いという要望があれば作る。
・受光面が大きいということは絵もすごくいい
・ビジネスとして成り立つのであれば35mmより大きなサイズのセンサーも作る

フルサイズという半導体として非常識な大きさのチップを作るという苦労、そして、画素数への考え方について興味深いお話が聞けました。
特に画素数については、市場が決めているというのが面白いですね。。。。

もし、それがソニーの本音であるならば、画素数は無限に増えるのでは無く、そろそろ落ち着く時期に来ているのかもしれませんね。

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