2009年からF1でタイヤウォーマーが禁止されることになっていましたが、これが安全上の理由で延期となったようです。
一方のF1唯一のタイヤサプライヤーであるブリヂストンはこれに難色、、、
F1は来シーズンからスリックタイヤの導入とタイヤウォーマーの禁止をすることになっているが、一部チームからタイヤウォーマーの禁止は低温でのタイヤグリップに問題があり、安全性が損なわれると指摘がされ、これを受けてFIA(国際自動車連盟)はタイヤウォーマーの禁止を1年先送りすることを単独サプライヤーであるブリヂストンに伝えた模様だ。
最新のタイヤはウォーマーの必要性が無いということで、せっかく技術開発したブリジストンにとっては、その素晴らしい製品をアピールできないということが、デメリットということでしょうか?
タイヤウォーマーの役割として、タイヤ表面の温度を上げることで、コンパウンドが適正な温度で適正はグリップを得るという目的と、タイヤ全体の温度を上げ空気圧をコントロールするという2つの目的があるようです。
ブリジストンの主張はウォーマーを使う場合、BSが指定した値以外の空気圧を入れることになるということ、、、、これはどういうことなんでしょう?
こちらの記事がヒントになるのかもしれません。。。
This became a hot topic last year, since part of the information at the heart of the McLaren ‘spy scandal’ was supposedly related to Ferrari’s use of a particular mixture of inert gases, in particular CO2, to inflate their tyres. This year almost all teams are experimenting with different blends of gases (air, nitrogen and CO2 are all permitted) in a bid to negate the negative impact of the ban on traction control and engine braking control. The removal of these systems means more wheelspin at the rear and more locking up under braking at the front, which in turn leads to more sudden variations in tyre surface temperature. These sudden variations make it more difficult to keep tyre pressures constant – crucial to the car’s handling – hence teams are seeking the gas blend whose pressure is the least sensitive to temperature changes.
これは、F1公式ページからの引用ですが、現在、タイヤに入れて良い気体は、”空気”、”CO2″、”窒素”が許されているようです。
ここ最近、”窒素”、N2をタイヤに入れる効果がアピールされていますが、これはO2すなわち酸素分子が小さく、逃げやすいのでタイヤの空気圧が減りやすい、よってあらかじめ窒素を入れておくことでそれを防止するという役割のようです。(ちなみに水素H2は金属も通過します)
一方、F1でCO2を入れるというのは、奇しくもマクラーレンのフェラーリスパイ事件が発端になり注目された技術のようです。
CO2は地球温暖化の原因となるように、非常に熱を吸収しやすい性質のようで、これを利用してホイールやブレーキシステムの冷却を狙っているようです。
更に、フェラーリは、CO2より熱伝導率が高いエアコンや冷蔵庫の”冷媒”をタイヤに入れていたということ、(これがマクラーレンが何故真似できていたのかがスパイ事件の争点のようですが)が噂されています。
以上を踏まえると、F1タイヤの中にCO2や冷媒を入れるとなると、気体は空気より熱膨張率が違うようで(より膨張率が大きい)、空気を前提としたタイヤの内圧とは異なるコントロールが必要になり、タイヤウォーマーが前提となるのでは無いでしょうか?